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差分測位とは?DGNSS・RTK・PPK・PPP の違いと選び方ガイド

May 22, 2026

単独の GNSS 受信機(単独測位)は、電離層・対流圏・衛星時計・軌道などの誤差の影響を受け、精度は通常メートル級にとどまります。差分測位(Differential Positioning) の核心的な考え方は、座標既知の基準局(または補正サービス)が同じ衛星を観測して共通誤差を計測し、それを差し引くことで、移動局(rover)をセンチメートル級、さらにはミリ単位の精度にすることです。補正方式とリアルタイム性の違いにより、一般的な技術には DGNSS、RTK、ネットワーク RTK、PPK、PPP、PPP-RTK があります。以下では原理・違い・選び方を説明します。GNSS システムそのものと誤差要因については GNSS とは?5つの衛星測位システムと測位の原理をご覧ください。

各技術のクイック比較

技術補正方式代表精度リアルタイム/後処理基準局要件
DGNSS擬似距離差分サブメートル~メートルリアルタイム単一基準局/広域サービス
RTK搬送波位相差分センチメートル級リアルタイム近傍の単一基準局
ネットワーク RTKネットワーク化搬送波位相センチメートル級リアルタイムCORS 網(電子基準点等)
PPK搬送波位相差分センチメートル級後処理基準局(事後解算)
PPP精密暦+モデルセンチ~デシメートルリアルタイム/後処理自前基準局不要
PPP-RTKPPP+地域補正センチメートル級リアルタイム地域補正サービス

各技術の原理

DGNSS(差分 GNSS)

基準局が各衛星の擬似距離(pseudorange)誤差を計測し、近傍の移動局に補正量を放送して差し引きます。原理が単純で互換性が高く、精度はサブメートル~メートル級で、ナビゲーションや GIS データ収集などセンチメートル級を要さない用途に適します。

RTK(リアルタイムキネマティック)

搬送波位相の観測量で差分を行い、整数アンビギュイティをリアルタイムで解算してセンチメートル級の精度に達します。近傍の基準局から無線またはネットワークで補正データをリアルタイムに受信する必要があり、基線長が長いほど精度は低下します。工事測量とリアルタイムモニタリングで最も一般的な手法です。

ネットワーク RTK

複数の連続観測基準局(CORS)で構成されるネットワークが地域補正モデル(VRS 仮想基準点など)を生成し、利用者はネットワーク接続のみでセンチメートル級のリアルタイム測位を取得でき、自前で基準局を設置する必要がありません。台湾には国土測絵中心の e-GNSS などのサービスがあります。

PPK(後処理キネマティック)

RTK と同様に搬送波位相を使いますが、移動局と基準局のデータを事後にまとめて解算するため、リアルタイム通信が不要です。UAV 空中測量、現地に安定した通信がない場合、または最高の解算品質を求める場面に適し、内業で再処理して信頼性を高められます。

PPP(精密単独測位)

精密衛星暦・時計プロダクトと完全な誤差モデルを用い、単機でセンチ~デシメートル級に達し、自前の基準局が不要です。利点は全球適用と設置の簡便さ、欠点は初期収束に時間(数分~数十分)がかかることです。

PPP-RTK

PPP の基準局不要という利点と地域補正サービスを組み合わせ、収束時間を短縮して RTK に近いセンチメートル級のリアルタイム精度を実現する、近年急速に発展している方向です。

選び方

以下の問いを順に判断していきます。

  1. サブメートル~メートル級のナビゲーションや図化だけで十分か?DGNSS を選択。
  2. センチメートル級かつリアルタイム結果が必要で、現場でネット接続または近傍基準局がある?RTK を選択。自前基準局がなければ ネットワーク RTK
  3. 事後解算を許容でき、最高品質を求める(UAV 空中測量など)?PPK を選択。
  4. 作業範囲が広く基準局の設置が難しく、収束時間を許容できる?PPP(リアルタイムと基準局不要を両立するなら PPP-RTK)を選択。

長期の構造モニタリングでは通常、固定式の GNSS RTK モニタリングステーションを採用し、連続したセンチメートル級の3次元変位で構造物や斜面の安全を守り、InSAR や現地センサーデータと統合できます。

よくある質問

Q:RTK と PPK の違いは何ですか? どちらも搬送波位相差分を用い精度は同等です。RTK はリアルタイム解算で通信接続が必要、PPK は事後にデータをまとめて処理し、リアルタイム接続が不要で、UAV 空中測量によく使われます。

Q:PPP はなぜ基準局が不要なのですか? PPP は代わりに全球の精密暦・時計プロダクトと誤差モデルで補正するため、単機で高精度に達します。その代償として初期収束時間が長くなります。

Q:差分測位はどの程度の精度に達しますか? 搬送波位相系の手法(RTK/PPK/PPP-RTK)は通常センチメートル級に達し、条件が良ければ水平で1~2 cm。DGNSS はサブメートル~メートル級です。


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